西原の木遣り唄

 

木遣り(きやり)歌は、作業などをする時に歌った唄です。西原独自といった木遣り唄ありませんが、昔から盆踊りなどで歌い継がれてきた木遣り唄があります。

このページでは、明福寺の盆踊りやゆめタウン祇園(当時)の盆踊りで歌われていた木遣り唄を紹介しています。

西原6丁目の松村さん、岡本さん、西原4丁目の森島さんから大変貴重な資料をお借りしました。

なお、木やり唄は同じ曲でも歌詞が微妙に異なっていますので、掲載している歌い手の方が歌っておられる歌詞を掲載しています。

 


松村末登さんの謡う木遣り唄:

西原6丁目の松村末登さん(平成17年(2005年)逝去)は、歌の名手と言われ、ゆめタウン祇園(当時)の盆踊り大会でもたびたび木遣り唄を披露されておられました。旧祇園町はもとより古市や八木などからも招かれるなど、西原随一の歌い手と言われました。

 

広島八景:

歌詞:

三本松はこの前の

龍の年の大水で

一本ながれて二本松

なれどお上のごじょうしで

三本松と申します 

ヨイ

がらがら橋をちょいと渡り

愛宕の山を伏し拝み

東愛宕や西愛宕

昔も今も古町の

月夜に手を出す猿猴橋

ヨイ

まだまだ申せば長いこと長いこと

あまり長いもやれ技のさまたげじゃ

エンヤラエイ

 


なす与一:

歌詞:

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 其の名ふれたる ソーレイ カイセイ

下野の国 アラ ヨーイヨーイ

ヤレ 那須の与一の誉れの次第

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 積る御歳 ソーレイ カイセイ

十九才にて アラ ヨーイヨーイ

ヤレ 矢をば一手に名を萬天に

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 矢をば一手に ソーレイ カイセイ

名を萬天に アラ ヨーイヨーイ

ヤレ 上し(のぼし)給えば処は何処

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 四国讃岐の ソーレイ カイセイ

八島のいそで アラ ヨーイヨーイ

ヤレ 源氏平家の御戦(おたたかい)に

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 平家方より ソーレイ カイセイ

沖なる舟に アラ ヨーイヨーイ

ヤレ 的に扇を建(たて)たる時に

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 九郎判官 ソーレイ カイセイ

この状況(よし)御覧 アラ ヨーイヨーイ

ヤレ 那須の与一を御前に召され

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 沖に建たる ソーレイ カイセイ

あの扇をば アラ ヨーイヨーイ

ヤレ 矢頃遠けれどあの射落として

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 敵や我方(みかた)の ソーレイ カイセイ

見物(みもの)にせよと アラ ヨーイヨーイ

ヤレ 拝と与一は御受を致し

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 与一その日の ソーレイ カイセイ

出裳束は アラ ヨーイヨーイ

ヤレ かちんの赤地の錦を召され

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 白糸落しの ソーレイ カイセイ

鎧を着し アラ ヨーイヨーイ

ヤレ 弓はすげ藤(どう)切生(きりふ)の矢にて

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

「まあ、一杯飲みなあや」

 

(不明)

 

エイナァーエーエ ヤレ 弓はすげ藤(どう) ソーレイ カイセイ

切生(きりふ)の矢にて アラ ヨーイヨーイ

ヤレ 黒駒引き寄せゆらりと乗りて

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 鞍は金銀 ソーレイ カイセイ

ため塗り鐙(あぶみ) アラ ヨーイヨーイ

ヤレ ゆらりざんぐと打ちまたがりて

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 小松原より ソーレイ カイセイ

波打ちぎはに アラ ヨーイヨーイ

ヤレ 進んず(しんず)進んずと歩ませければ

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 風は激しく ソーレイ カイセイ

波荒くして アラ ヨーイヨーイ

ヤレ 的の扇も定まらざれば

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 与一少時(しばらく) ソーレイ カイセイ

眼(まなこ)をふさぎ  アラ ヨーイヨーイ

ヤレ 南無八幡南無明神へ

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 与一憐れと ソーレイ カイセイ

ましますなれば アラ ヨーイヨーイ

ヤレ 力合せてあの扇をば

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 射させ給へと ソーレイ カイセイ

念願深く アラ ヨーイヨーイ

ヤレ ねらい定めて二つや五つ

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 切ってはなせば ソーレイ カイセイ

扇の的は アラ ヨーイヨーイ

ヤレ 要射られて空に上がる 

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 風にもまれて ソーレイ カイセイ

ひらひら落ちる アラ ヨーイヨーイ

ヤレ 波にもまれて海へと沈む

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 射たり与一と ソーレイ カイセイ

讃(ほ)めたる時は アラ ヨーイヨーイ

ヤレ 沖の平家は船ばたたたく

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 公家の源氏は ソーレイ カイセイ

エビラをならす アラ ヨーイヨーイ

ヤレ 戦功名品品あれど

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー

 

エイナァーエーエ ヤレ 戦仲ばで ソーレイ カイセイ

功名ありし アラ ヨーイヨーイ

ヤレ 那須の与一は誉れな者よ

ソリャ ヤトコセェー ヨイヤー

アレハイセー コレハイセー ソリャナンテ ハーノセー